雀色時の記録

鑑賞・創作の覚書きです※後日、加筆・修正あり!

「夢で会いましょう」

村上春樹糸井重里

1986年初版

新潮社(文庫)

 

村上春樹糸井重里による短編小説、エッセイ、コラム集。2人の掛け合いになっているところが面白く、改めて読むと、この2人って似た雰囲気の文体で書くよなぁと。持ち出すネタに個性が出てるので、読むとどちらが書いたかはしっくりきますが。ジャンルは色々ですが、私は短編小説に感動しました。一読すると、「何のこと?」って思うのに、後からじわじわと言いたかったことが伝わる(気がする)し、それをたった数ページで表現するなんて!

 

ある人が言いました。「ダイレクトに書くのって、危険だよ。」うーん、今ならこの意味が少し分かるような気がします。

「ダンス・ダンス・ダンス」

村上春樹

1988年

 

友人の名刺に書かれたフレーズから、読みたくなって一気読みしました。ただひたすら”何か”をし続けるしか生き延びる術がない時期があること。どん底の孤独と向き合うこと。どちらもどうしようもなく苦しい。それでも、出会う人との交流によって少しずつ回復していく。自分を分かってくれる存在は貴重だけれども、誰かを分かろうと思う気持ちも同じくらい大事だよなと読了後にぼやぼやと考えました。それにしても、コーヒーとハムエッグ、トーストの焼ける音と香りで目覚めたいなぁ。

 

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祇園きななの和風パフェとマロンかき氷。

アイスもシロップも、素材の味が引き立つ美味しさです^^

「ムーミン谷の夏まつり」

季節ごとに無性に読みたくなる本があります。梅雨が明けて、いよいよ夏本番だなと思ったら、もう頭の中はムーミンモード!早速今日読みました。毎回思うのですが、本当にみんな自由すぎて、会話もかみ合ってないし(特にムーミンスノークのおじょうさん)、ツッコミどころ満載で…ちょっと落語っぽくもあるなと。スノークのおじょうさんが衣装だんすを発見して、中に入ったきれいな洋服にトキメク場面は、何度読んでもいいです。だって、洋服をぎゅっと抱きしめて、「しあわせで破裂しちゃう。」なんて言うんですよ。いいなぁ。

 

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大好きな表紙。彗星のも好き。

いつの日か、北欧の季節を感じに行きたいです。

鴨川デルタ

リフレッシュしたい時、ぼやぼや~っとした時。近所の高野川を眺めに行きます。その高野川と鴨川の交わる場所が、鴨川デルタと呼ばれる三角州。下賀茂神社や駅が近いのもあって、沢山の人(主に家族連れ)で賑わっていました。私は読書でもしようかと試みました…が眩しすぎて断念。飛び石が亀形なのがカワイイです。映画や漫画でも舞台になっているそうなので、今度見てみようと思います。

 


ドキュメント72時間 2016年7月1日 16.07.01

先日の72時間より。鴨川デルタで過ごした時間をカウントする大学生…凄い。

オケピ!

2003年版

三谷幸喜作品

 

ミュージカルって好き嫌いが分かれるところですが、舞台(ライブ感)、言葉(名言が響く!)、音楽(感情に訴えかける)が重なって、本当にいいものです。2001年(?)版はハープが大好きな松さんだったそうで、ぜひ見てみたいなぁ。DVD版ないのかな。

 

オケピのメンバーは本番ではプロの演奏家だけど、プライベートでは色んなものを抱えていて、劇中ではそれがトラブルの元となって物語が進んでいく。性格や思考って当然人それぞれで、ある人には響くし、ある人には全く理解されないかもしれない。理解されないことが続くと、こういう考えって変なのかなと思って、自分の殻に閉じこもる(孤独を感じる)し、たまに出会う(こともある)”誰か”の存在で救われることもある。結局人の考え方なんて、そう変わるものではないし、それが個性なんだと思う。大事なのは自分の考えをしっかり持つ事だし、たまに出会う誰かの存在は大切にしたいなと、熱く感じました。そんなことを考えさせてくれたオケピ!にラブコールを送ります( ^з^) y -☆

食べない粽(ちまき)

八坂神社へお参りに行ってきました。祇園祭真っ只中なので、物凄い人混みで…。ご近所の玄関先に飾られた粽がずっと気になっていて、調べてみたところ、祇園祭で山鉾ごとに作られるお供え物で、中身は入っていません(フェイクちまき)。元々、疫病を払うことが起源らしい祇園祭。そこで、無病息災の厄除けとして登場したのが、この粽だそうです。

 

その昔、牛頭(こず)天王が旅人に扮して、蘇民将来の家に一泊させてもらいました。貧しい蘇民家でしたが、牛頭天王は、温かいおもてなしに感謝して、粽をプレゼントしました。流行した疫病に粽の厄除けは効果を発揮し、蘇民一族は生き延びたそうです。

 

「尋ね人(実は神様)には親切にしなさい」が教訓(?)の物語って、ギリシャ神話にもあるし(美女と野獣のモチーフ)、それが日本にも残っているなんて、結局、人間の思考パターンってどこかで繋がっている(というか、ベースは同じ?)なんでしょうか。十人十色なんて言うけど、時代も性別も国籍も関係なく、自分は人間なんだよなぁとか思えてきて…気持ち悪くなってきました(ちまきは食べたい)。

 

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お札には、「蘇民将来之子孫也」の文字!

見てたら食べたくなってきます。

「俺たちのBL論」

サンキュータツオ

春日太一共著

2016年

 

かねてから興味のあるBL…その入門書?というか、もし偏見のある人が居るとすれば、お勧めしたい一冊です。個人的には、”腐女子の作り上げた妄想の世界”というのに、反応してしまいました。妄想力って、突っ走っちゃうと大変だけど(人に迷惑かけちゃいけません)、世の中をうまく乗り切る為には必要なんじゃないかなぁと。それから、冒頭の鉛筆と消しゴムの話、読んでいて吹き出しました。私は何級をもらえるか、タツオ先生に聞いてもらいたいです。