雀色時の記録

鑑賞・創作の覚書きです※後日、加筆・修正あり!

読書

「夢で会いましょう」

村上春樹・糸井重里著 1986年初版 新潮社(文庫) 村上春樹と糸井重里による短編小説、エッセイ、コラム集。2人の掛け合いになっているところが面白く、改めて読むと、この2人って似た雰囲気の文体で書くよなぁと。持ち出すネタに個性が出てるので、読むと…

「ダンス・ダンス・ダンス」

村上春樹著 1988年 友人の名刺に書かれたフレーズから、読みたくなって一気読みしました。ただひたすら”何か”をし続けるしか生き延びる術がない時期があること。どん底の孤独と向き合うこと。どちらもどうしようもなく苦しい。それでも、出会う人との交流に…

「俺たちのBL論」

サンキュータツオ 春日太一共著 2016年 かねてから興味のあるBL…その入門書?というか、もし偏見のある人が居るとすれば、お勧めしたい一冊です。個人的には、”腐女子の作り上げた妄想の世界”というのに、反応してしまいました。妄想力って、突っ走っちゃう…

「好きな果物の話」

芥川龍之介全集 第12巻収録 何かの雑誌に寄せられたエッセイ。次々と果物を挙げて、語っているのですが、その描き方が本当に美味しそうで。一つの果物につき、2~3行の短さなのに、瑞々しさが伝わるし、何となく全体にお洒落な空気感が漂います。 文章って不…

物語に託すということ

Persuasion「説き伏せられて」 Jane Austen 1817 「結婚」に対して一貫した態度を貫いてきたオースティンが、唯一描いたラブロマンス。主人公のアンは、賢くて聡明で、感情押し流されることなく、いつも冷静な判断を下します。そんなアンが、かつて恋愛結婚…

ライオンと魔女

C.S.Lewis:The Lion, the Witch and the Wardrobe,1950 瀬田貞二訳 1994年第21刷発行 ここ数日は、「ナルニア国物語」再読daysとしています。第1作目の「ライオンと魔女」だけは、原書版もあるので、気になるフレーズを重ね合わせているのですが…。 これは、…

職業としての小説家

村上春樹著 2015年9月刊行 雑誌連載記事をまとめた、著者の最新?エッセイ。 色々考える(心に残る)ポイントがあり、満足感の残る1冊でした。 【覚書】 epiphany:(真理・事件などについての)突然の顕現、直感的把握、悟り、ひらめき(about)「ジーニア…

トムは真夜中の庭で

philippa pearce:Tom's Midnight Garden,1958 岩波少年文庫 高杉一郎訳 1996年第37刷発行 読了後、立ち上がって拍手したくなる程の充実(高揚)感がある一冊でした(注:本当にはしてないよ)。本当なら原文で読んで、英単語のチョイスを楽しむのが、より心…

本を読んで”泣く(涙する)”ということ

昨日、今日と、短編集を読んでいて、その中の3編が今の私の心に染みたみたいで、 気が付いたら自然と涙が流れていました。happyendingだし、一瞬だけ「なぜ涙?」って振り返ってしまうのだけど。。理由は簡単だよね。 思い返せば、昔(4、5年前くらい?)は…

子ども読書の日

本日(4/23)は、色んなメモリアルdayが重なる、素敵な一日です。 中でも、「子ども読書の日」は図書館に関わる者として、 ついつい意識してしまう(意識したい!)日なのです。 【由来】読書活動に関心と理解を深め、 とりわけ”子ども達”への読書推進活動の…

The Rescuers

「ビアンカの大冒険」が大好きです。原作(日本語版)は、本当に児童書なの?っていうくらい、暗いタッチで、割とまじめに物語が進んでいく感じが、私はします。でもその”大人っぽさ”が子どもながらに背伸びした感じがして、嬉しかったり。 原題からも分かる…

ぼくの小鳥ちゃん

江國香織著 1997年初版 段ボールに詰めながら、つい読み返してしまう本たちがあります。特に、江國さんの著作はぜんぶと言っていいくらいに大好きなので、止まりませんね。私が「冷静と~」に並んでお気に入りなのが、「ぼくの小鳥ちゃん」です。群れから離…

モモ 

時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 ミヒャエル・エンデ著 タイトルが凄くシンプルなだけに、サブタイトルの長さがインパクトのある作品ですね。イラストがモノクロ(版画?)だったり、モモの住む世界があまりに単調…

猿之助、比叡山に千日回峰行者を訪ねる

春秋社2016年1月第1刷発行 市川猿之助、光永圓道の対談集。最近興味を持ち始めた”仏教”に、こういう形から入る(知る)のが馴染みやすいのかなと思い、読んでみました。まさに、導入にぴったりです。対談なので、すらすら読めますし。勿論、「え?」という箇…